金髪ロリ達観クールラノベ 第三巻

プロローグ

草木も眠る丑三つ時にモソモソと寝床で動く影があった。

腹部に広げ掛けられていた薄い掛け布団は、彼が上半身を起こすと共に皺を深くして、身体を捻れば寝台の脇へと追い遣られる。慣れない足長な介護用ベッドの、シーツより僅か身の高い縁から両足を垂らすと、武人は闇に慣れた眼を巡らして薄暗い自室の様子を確認した。勉強机の置かれた場所、椅子の置かれた場所、扇風機の置かれた場所、ゴミ箱の置かれた場所、等々である。それは不慣れな自室にあって、自由の利かない身体を粗相無く部屋の出入り口まで運ぶ為であった。

「………」

予期せぬ目覚めの理由は尿意である。

寝る前に飲んだコップ二杯分の麦茶が影響したのだろう。いつの間にかパンパンに膨れていた膀胱の中のものをどうにかしようと、彼は寝ぼけ眼を瞬かせながら、ゆっくりと床に足を下ろし立ち上がった。エアコンにより気温湿度共に整えられた室内にあって、少し冷たいフローリングの感触が足の裏に伝わる。

何気無く顔を上げて天井を見上げれば、そこには見慣れぬ天井直付けの照明器具、シーリングライトが一番小さな豆電球だけを灯していた。プラスチックケースの内に灯る淡く微弱な明かりが、その輪郭をぼやかしてクリーム色の筐体を闇に浮かび上がらせている。

「………まだ、慣れないな」

呟いた彼が今を暮らすそこは、木崎湖の畔に建つ一軒屋では無く、JR大糸線を経て南下した大町に建つ集合住宅の一室であった。引っ越しから数週間を経て漸く住み慣れ始めた筈の新居は、しかし、現在は色々とあって基礎から建て直し工事の真っ只中にある。その間の仮住まいとして、芹沢家一行は居を別に移していたのだった。

シーツから腰を浮かした武人は、立ち上がったまま暫くを動かずに身体が覚醒するのを待った。寝起き間際での活動は五体満足でも危ういものがある。今の彼では下手をすれば転倒して怪我を負いかねない。

時計の秒針が一周する程度の間を待ち、身体の平衡感覚が十分に定まったところで彼は歩を進める事とした。部屋の照明を点ける事無く、ペタリ、ペタリと足の裏の皮膚が木製の床張りに触れては離れる音と共に、薄暗い室内をゆっくりと慎重に移動する。目指すところは部屋を出てすぐ右手にある便所に通じた扉だった。

一歩を歩くにも幾秒と掛けて抜き足差し足で自室を歩む。そこには考慮すべき幾らかの懸念があったからだ。しかし、武人の思惑とは別に、数歩だけ歩いたところで彼以外に何某かの動く気配が部屋に生まれた。

「……武人、厠かぇ?」

己の名を呼ばれて、彼は部屋の扉を前に後ろを振り返る。

「…………静奈」

そこには寝間着の浴衣を纏う静奈が立っていた。彼女の足元には彼が眠る寝台の脇に敷かれた小さな子供用の布団がある。床を立った間際には長い金髪を敷布に散らして横たわる姿を確認していたが、何時の間にか目を覚ましてしまったらしい。その隣には同じく静奈の隣に布団を敷いて眠っていた筈の西光坊の姿もある。こちらも平素からの燕尾服は形を潜めて、ごく普通の西洋寝衣を身に付けている。ただし、静奈の斜め後ろにひっそりと身を置き従じているのは普段と変わりない。

「静奈達は眠っていていいよ、もう、一人で出来るから」

「それでも面倒には変わりなかろう? 我は主に苦労させる訳にはいかん」

「で、でもさ……、だからってこんな夜中に……」

「我の事は態のいい召使だとでも思ってくれれば良いのじゃが………、駄目かぇ?」

言いつつ静奈はすぐさま武人の元へと歩み寄る。

そうして彼の反応を伺うよう、相手の顔を下から見上げるように覗き込んだ。深い紅色の瞳がカーテンから漏れる僅かばかりの月明かりに反射してキラリ瞬く。そこには彼が何と言おうとも頑なに同行を願う思慕の意思が伺えた。その様子を目の当たりにして武人は思わず返す言葉に窮しては言い澱む。

「そんな、召使だなんて……」

「ならば全ては好意じゃ、受け取っては貰えぬか?」

切望の眼差しを向けてくる静奈を前にして、武人は首を横に振ることは出来なかった。

「………わかった、じゃあお願いするよ」

「ありがとう、武人」

そんな彼に静奈は恭しく頭を下げて付き従った。

この二人のやり取りはつい先日に武人が病院を退院する前から、先の騒動により彼が両腕を失った時分より続けられている。それもあって、今では彼も当初よりは冷静に対応できるようになった。しかし、やはり何時まで経っても慣れる事の無い感覚に、自然と胸の鼓動が高まるのは押さえられない。

大凡のところ事の流れは以下である。

紆余曲折あって両腕を失い病院へ入院する羽目となった武人の元に、静奈を筆頭として花見月、夢見月、西光坊の四人は頑なに同宿を願った。それは身の不自由な彼に苦労をさせない為であり、また、再び襲い来るとも分からない敵に備えての事でもあった。

武人が入院する病院は面会時間を午前八時から午後八時までと規制していた。しかし、それも人を惑わす術を知る彼女達にしてみれば有って無いようなものだった。そして、静奈の口より武人に訪れた不幸の顛末を聞いた義人は、そんな彼女達の意見を無碍にする事は出来なかった。彼は幸か不幸か人外の化け物に関する知識を事前より得ていた。何よりも大切な我が子を思えば、彼女達の申し出は、彼としては願ってもないことである。

気落ちした様子を隠しきれない義人は、自身には手の出しようの無い状況を理解して、素直に息子を彼女達に任せた。そこには過去の静奈の行為から来る葛藤や、人智の及ばぬ化け物を近くに置く事のリスクを恐れる気持ちが無かった訳ではない。しかし、最終的に武人の彼女達に対する対応を目の当たりとして、それを決めたのだった。

何よりも義人は、息子の不幸の原因は自分にあるのだと考えていた。だからこそ、彼は彼女達を一言たりとも責める事は無かった。息子を、お願いします。弱々しく語る義人の言葉を受けて、日頃からの彼を知る一同は、内より湧き上がる自責の念に身体を震わせていたという。

それからというもの、武人の傍らには必ず彼女達の姿があった。

「足元に気をつけてな……」

「うん」

廊下の壁に設置された釦を押して小さな個室に照明と灯らせると、静奈は常時半開きが原則となっている便所の扉を開いた。暗闇に慣れた瞳に世界が白む程に眩い閃光を受けて、敷居を前に武人の足が暫し止まる。それから、目を細める彼は多少の順応を経て、スリッパへ足を通すと白磁の便器へ向かった。静奈は西光坊を廊下に残して、その背に続き共に中へと入る。

二人が納まると扉はパタンと小さな音を立てて閉じられた。

武人は便器の前で足を止める。

「下げるぞぇ?」

その隣に立った静奈の手が彼のパジャマのズボンに伸びた。

「……うん」

彼女は腰周りのゴムが通された部分に手を掛けると、それをスルスルと膝上まで下ろした。どうやら下着まで一緒に掴んでいたらしく、ともすれば、彼女の目の前には武人の性器がベロンと現れた。

「やっぱり……、幾ら回数を重ねたって、これは恥ずかしいよ……」

それは多少身を堅くして、普段よりも少しだけ頭を擡げていた。彼の太股と成す角度は大凡四十五度程だろうか。まだ勃起しているとまでは言えないが、僅かな刺激にも傾斜を急にしてしまいそうな感がある。

「まだ、慣れることはないかぇ?」

静奈の小さな両の手が竿にそっと伸びる。

「っ……と、当然だろっ」

雪を欺く白妙の、木目細かな玉肌に形作られる指先に絡まれては、背筋に電流が奔ったが如くビクリと身体を震わせる。一方は陰茎を裏側からやんわりと握り、もう一方は陰嚢を下から包み込むよう優しく添えられている。無骨な彼の手が触れれば容易に折れてしまいそうな程に繊細かつ嫋娜な十指に秘部を囲われて、武人は下腹部が熱を持ち始めるのを感じていた。

「っていうか、駄目、やっぱり駄目だよ」

その抗い難い刺激に武人は静奈へ懇願するような視線を向ける。

「これ以上触られたら、出なくなっちゃうから」

勃起寸前の生殖器は彼女の体温を知って徐々に身体を起こし始める。それが上を向いてしまったのなら、内尿道口とよばれる膀胱の出口は平滑筋によって閉じれ、自意識による排尿は不可能となる。それまで熟睡していた事もあって、武人が内に溜めた尿意はかなりのものだ。そして、一度勃起してしまったのなら、静奈が隣に寄り添っている限り、それは容易には鎌首を下げる事は無いだろう。ならば勃つ前に出してしまいたいというのが本懐である。

「あの、出来れば、もう少し摘むように、あまり触らないようにして……」

「うむ……、分かった」

武人の願いに静奈は少し寂しげな表情を浮かべて玉袋に触れていた一方の手を離し、もう一方の手も指先だけが竿に触れる程度の接触に押さえる。その様子を確認して武人は限界も近い膀胱の緊張を解いた。

静奈によって照準を合わせられた男性器から濃い黄色の尿が勢い良く迸り、便器に当たって音を立てる。下腹部に多少の圧迫感を感じながらも、武人は放尿の感触にホッと一息ついた。

しかし、異性に性器を握られているという状況を受けて、肉体は本人の意思に反して着実に海綿体へ血液を集め始める。自然と性器は身を堅くし始めていた。そこで、彼女の指は尿が描く軌跡が反れぬよう、多少の力を持ってそれを押さえつけるように矛先を定める。

「っ痛……」

すると、無理な修正に武人の口から小さな声が漏れた。

「す、すまぬ武人っ」

確実に進行する勃起に尿道口の照準を便器内に合わせられなくなったのだった。出始めたばかりの尿に止まる気配は無い。溜まりに溜まっていただけあって武人自身にも意図して止められるものではなかった。

痛いと言う彼の言葉を無視する訳にはいかず、かといって、狙いが逸れてしまっては便所が汚れてしまう。静奈としては共に避けるべき由々しき事態であった。だから、彼女は武人の声が耳に届いた次の瞬間には既に行動を取っていた。

「んむっ」

依然として尿を吐き出し続ける性器を躊躇無く口に含んだのだ。

「なっ!?」

武人の顔に驚愕が浮かぶ。

「ちょ、ちょっと静奈っ!!」

慌てた様子で声を掛けるも、口が塞がっているので返る言葉は無い。

静奈はゴクゴクと喉を鳴らして武人の尿を飲んでいた。

「止めてよっ! 汚いよっ!」

彼は慌てて腰を引こうとするが、その時には既に彼女の腕が彼の腰を抱くよう背面へと回されていた、まるで万力で固定されてしまったかのように身体は一ミリたりとも動かなかった。

口をつける際に頬に当たって飛び散った尿の飛沫が彼女の可愛らしくも凛々しい顔を汚している。だが、それを気にした風も無く、静奈はとても幸せそうに彼の陰茎を口に収めていたのだった。投げ掛けられた言葉に視線を上げた彼女は、武人と目線が合うと口に含んだものをそのままに小さく微笑んでみせる。

「し、静奈、そんなことしちゃ、駄目だよ……」

その様子を目の当たりにして、武人はどうしたら良いのか分からなくなってしまった。

咥内の粘膜に包まれている生暖かな感触がこの上なく心地良い。そんな中での溜めに溜めた数時間ぶりの放尿である。気持ち良くない筈がない。静奈のような幼い概観の少女に尿を飲ませているという背徳感も手伝って、彼の元には性器を刺激される物質的な快感だけでなく、幾重にも感情の折り重なった形容し難い情操の変化が訪れていた。それは実直な性格の彼に、もう少しだけこうしていたい、と思わせてしまう程である。

上目遣いに自分を見つめる深い赤色の瞳に魅入られて、武人は己の内に沸き上がる抗い難い情動に戸惑いを隠すことが出来なかった。事が終われば多大なる自己嫌悪に塗れるであろうことを思いながら、その様子を言葉無く見つめる。

他に音の無い便所には彼女が尿を飲む音だけが静かに響いていた。

コクコクと小さな喉を忙しなく鳴らして静奈は美味しそうに武人の尿を飲み続ける。その咥内へ含むには非常な困難を伴うでろう放出の全てを、しかし、決して一滴の雫も外へ漏らす事が無いよう、確りと口元を締めて確実に飲み干していく。

それから十数秒が経過すると、やがて尿道を巡る尿の勢いは徐々に失われていった。

「静奈……」

排尿に応じて体温が下がり武人の身体が小さく震える。

それから暫くすると完全に尿は止まった。

「んっ……」

静奈は尿道内に残る僅かな尿さえ残すまいと口を窄めてそれを吸い上げる。その刺激を受けて我慢の限界に達した武人の性器は最早言い訳の及ばない程度まで身を起こす事となった。最後にゴクリと大きな音を立てて静奈の喉が鳴る。

「うっ、うぅ……」

腰の浮くような快楽に、堪らず武人の口からは声が漏れていた。

静奈が陰茎から口を離すと、彼女の舌と彼の竿との間には唾液と尿、それに若干の尿道球腺液が交じり合って出来た粘質の橋が幾つも掛かる。白熱灯の眩い明かりを受けて、それは顔が遠退くに連れてキラキラと光りながらゆっくりと千切れ墜ちていった。

「武人、痛い思いをさせてすまん。浅慮な我を許してくれ」

静奈は武人の正面に立ち、彼の股間に両手を這わせつつ、顔を上げてすまなそうに謝罪の言葉を口とした。二人の間には大きな身長差があるので、彼女は直立してもその頭部が武人の腹部程度に留まる。そこに臨む表情は尿を飲んでいた時とは一変して、とても申し訳無さ気なものであった。その姿には、武人が過去に知る快活かつ颯爽とした静奈の面影は微塵も見つけることが出来ない。飼い主に捨てられるのを怖がり身を震わせる子犬の如き幼弱な様相だけが感じられた。

「べ、別にそんなに畏まらなくてもいいよ。いきなりの事で少し驚いたから口に出しちゃったけど、実際にはそこまで痛くなかったし、全然大丈夫だから。大したことないんだから」

そんな静奈の姿があまりにも儚げに映り、武人は慌てて言葉を返した。

同時に込み上げた熱いものが身体の内に溢れる。

「武人は我の粗相を許してくれるのかぇ?」

「許すも何もそんな大したことじゃないから、だから、お願いだから謝らないでよ」

「ありがとう武人。……武人は優しいな」

少しだけ眉の勾配を和らげて、今にも泣き出しそうであった静奈の顔に笑みが戻る。

その表情があまりにも可愛らしくて、武人は胸の鼓動の高鳴りを禁じ得なかった。加えて、不謹慎ながらも露出した息子は彼女の手中にあり、触れる感触に否応無くその身を堅くしてしまう。慌てて自制心を働かせるも、一度鎌首を擡げてしまった欲望には、容易に太刀打ち出来そうに無かった。

「武人は我の手と口で、これを堅くしてくれるのかぇ?」

一度手元に視線を落とした静奈が、それと彼の顔を見比べて問うてくる。

「うぅ……、し、仕方ないだろ、生理現象なんだから」

それは半分正解だが、もう半分は自身にも明らかに誤りだと理解できる弁明だった。

だが、それを気にした風も無く静奈は言葉を続ける。

「例え生理現象であったとしても、我は、とても嬉しい……」

「し、静奈?」

呟いて彼女は目の前で聳り立った武人の陰茎に顔を寄せる。そして彼が止める間も無く、我が子を抱く母親も斯くやあらんといった仕草で、大層愛おしそうに頬擦りを始めた。喜びに紅の瞳を細めて、ほんのりと上気した頬の肉に自身の唾液と武人の尿や先走りに塗れたそれを、優しく擦り付けるよう当てては顔を小さく上下させる。その口元には天にも昇ろうかと言わんばかりの至極幸せそうな笑みが浮かんでいた。

「あぁ、こんなに愛おしくては気が狂いそうじゃ」

「ちょ、ちょっと静奈っ!?」

「大好きじゃ、武人……」

静奈の頬の柔肌と雁首が擦れ合う度に堪らぬ刺激が武人の脊髄を巡る。

ネットリとした粘液を挟んで触れる静奈の肌は、如何ほど値の張る絹にも増して繊細で、与えられる快感は只の皮膚が擦れ合う感触とは一線を駕して感じられた。知らず武人は己の腰を前に出してしまっていた。

「静奈、ま、待ってよっ! いきなりそんなっ」

そんな己の醜態に気づいて、次の瞬間には慌てて身を引こうとする。しかし、その背はすぐ背面にあった木製の薄い戸に当たり止まった。両腕が無い彼には閉ざされた戸を開ける術が無い。身体を拿捕されておらずとも逃れる事は出来なかった。

「武人、お願いじゃ、もっと、もっと我に主を感じさせておくれ」

そんな彼に縋るよう静奈は身を寄せて行為を続ける。

「そんな、こんなの駄目だってっ!」

必死に自身の性器へ顔を擦り付ける静奈の、その細く艶やかな黄金色の長髪から成る旋毛を見下ろしながら、武人は背筋をせり上がって来る快楽に足を砕かれぬよう耐えるしかなかった。自分はロリコンなんかじゃない。自分はロリコンなんかじゃない。そう繰り返し言い聞かせてはいるものの、与えられる快感は確かなものとして彼の興奮を否応無く高めていった。

やがて完全に立ち上がった性器は、触れるものに吸い付かんばかりの柔肌を前にビクビクと小さく脈打ち始める。静奈は表面に浮き上がった赤黒い血管を指先で撫でては、それに浅く口付けをする。

「んっ……」

それを発端として、彼女は自らの唇が触れていない部位など一毫も無いと言う程に、彼の性器へ満遍なく接吻を繰り返していった。ちゅ、ちゅ、と小さな可愛らしい唇の触れては離れる音が静かな夜の便所に響く。

その仕草に武人は堪らず瞳を閉じていた。これ以上を見つめていると、自分も我慢が利かなくなってしまいそうだった。理性もへったくれも無く、本当に静奈を襲ってしまいそうだった。

「武人、武人……、もう我は我慢が出来ぬ……」

小さく呟かれた静奈の声が武人の耳に届く。

次いで性器には其れまでに無い強烈な刺激が奔った。

驚いた武人が閉じて間もない目を開ければ、そこには最早制止が利かぬと感極まった様子で、陰茎へ一心不乱に舌を這わせる静奈が居た。完全に勃起が済んだ竿に幾度か頬を擦り付けては、その根元から先までをベロリ、ベロリと狂ったように舌で舐め上る。そしてまた唾液にテカテカと光るそれに頬に擦り付けるのだ。その繰り返しが「武人、武人、武人」と呼ばれる名前と共に続けられる。

「っぅう!」

堪らず武人の口からはくぐもった声が漏れた。

また、繰り返しの合間には時折、玉袋を口に含んでは咥内で二つの睾丸をコロコロと弄ぶように舐めてくる。心臓を鷲掴みにされたような感覚が途方も無く心地良い。人体の急所を他者に委ねる事への危うい興奮に、武人の精神は徐々に正常性を失い始めていた。

「あぁ、武人……、武人や……」

静奈は熱に茹だれたようにその名を繰り返す。

直接性器へ与えられる刺激こそ、過去に膣へ挿入した時のそれと比較すれば大人しい。しかし、視覚を通じて伝えられる静奈の痴態は、物質的な干渉を持ってしては決して達することの出来ない衝撃を伴い彼の興奮を煽った。

「武人、どうか我に情けを、お情けを……お願いじゃ……」

やがて、一頻りを終えた彼女は頭上の顔を見上げて潤む瞳と共に懇願の言葉を口にする。

誰の目にも明らかなほど朱に染まった頬が、はぁはぁと妙に荒い息遣いが、汗ばんで蒸れた甘い香りを漂わせる幼い肉体が、否応無く武人の精神を魅了する。足元に傅いた少女を前にして、これに抗う事の出来る男は世にどれだけ居るだろうか。

静奈の願いに武人は首を横に振ることが出来なかった。

「静奈……」

呟いて、彼は自分が彼女に堕ちた事を知る。

ああ、また静奈とやっちゃうんだよ……。

自分の脆弱な自制心を呪いながら、彼は何時の間にか一歩前へ進んでいた己の足に気付いた。そして、そんな彼の反応に静奈は、それはもう、彼女らしからぬ満面の笑みを浮かべて破顔一笑したのだった。嬉しくて嬉しくて堪らない、そんな気持ちが痛い程に良く伝わってくる可愛らしい笑顔であった。

それから武人と静奈が再び寝床に戻ったのは、二人が便所の中に納まってより、時計の針が一周りしてからの事となった。静奈の中へ奥深く幾重にも吐き出された白濁は、彼女の小さな子宮を一杯に満たし、戸の外で待つ西光坊が指摘した際には、幼い肉体の強力な膣圧さえ押しのけて、広く膝下まで垂れていたという。