喰らえ、メテオストライク!

幕間

 物心ついた頃から、アタシは他人に見えないものが見えてるの。

 とは、保育園から小学校の三年生まで付き合いのあった、近所に住む幼馴染の口癖だ。果たして、それがどのようなものであったのか、真実は最後の最後まで理解できないまま、彼女とは同校の進級と共に別れて、以後、一度も会っていない。

 顔を合わせる都度、自慢気に語られた幼馴染の言葉から、幼い時分の俺は勝手に納得していた。人間という生き物は、誰もが他人には見えない、自分にだけ見える何かがあるのだろうと。自分だけの世界があるのだろうと。

 だから俺は、小さい頃から自分が見ている色々を、口にすることはなかった。

 それが普通だと思っていた。

 なんて俺の見ている世界は、危ないヤツらに満ち溢れているのだろうと。

 この事実が覆されたのは、小学校四年生へ進級した直後だった。通い慣れた学舎からの下校途中、道すがら半殺しに遭い、救急車で大きな病院へ運ばれた。周囲の人間曰く意識不明の重体となり、生死の境を彷徨った。全治三ヶ月の大怪我だった。

 医者や両親、警察からは根掘り葉掘り、事情を尋ねられた。

 俺は自身が体験した事実を素直に答えた。

 結果、病室を移して、入院の期間が半年ほど延びた。

 決して幼馴染みを責めるつもりはない。勝手に勘違いしていた自分が悪いのだ。ただ、彼女のおかげで、俺は随分と遠回りをしてしまった。

 物心ついた頃から、俺は他人に見えないものが見えてるんだ。

 そんな言葉を自らの意思に口とするまで。