喰らえ、メテオストライク!

ファミレス 二

「やっと着替えられたわ。本当、生きた心地がしなかったかしら」

「おかえり、お姉ちゃん」

 妹さんの持ってきた紙袋を片手に下げて、ファミレスのトイレに立っていた姉が戻ってきた。その出で立ちは今し方までのダボダボなシャツとジーンズから一変、学校指定の制服に替わっていた。

 ちなみに往路とは異なり、復路は手ぶらである。

 今まで着ていたレンタル品はどこへ行ってしまったのだろう。

「あれ? 俺の服は?」

「え? 捨てたわよ?」

 さも当然のように言ってくれる。

 何がおかしいの、とばかりに首を傾げる様子が、普通にムカつく。さもそれが当然と言わんばかりの反応だ。

「ちょっ、それマジで言ってんのっ!?」

 割とお気に入りのシャツだったのに。ズボンも。

「私が着た服を貴方がまた着るとか、想像しただけで悪寒が走るわ」

「人の好意をなんだと思ってるんだよ、アンタは……」

 本日の屋外気温は四十度を超えている。自宅からファミレスへ移動するまでの間にも、絶え間なく滲み出た汗は、我がシャツを美少女成分配合として、その市場価値を大きく向上させた状態で返却されるに違いないと、密かな楽しみにしていたのに。

 お気に入りのシャツをスーパーお気に入りのシャツに進化させようと、邪な思いを胸に抱いたが故の失敗だ。いいや、ちょっと待て、今なら便所へ走れば、ゴミ箱に捨てられたところをサルベージ可能かも知れない。

「トイレのゴミ箱に入れたのか?」

 少しばかり腰を浮かせながらに問う。

「え? 流したわよ?」

「流しちゃ駄目でしょぉー……」

 詰まっちゃうじゃないですか。

 なんたる無念。

 流石に便所水へ浸かった服は嫌だ。

「貴方、まさか回収するつもりだったの?」

「だ、だったらなんですかー? 元々は私の服ですよ-?」

「匂いを嗅いだり、口に含んだりするつもりじゃないでしょうね?」

「ハハ! その点に関しては一切保証しかねる」

「本当、気持悪い……」

 まるで汚物を見るような目で見つめられる。

 ただ、そんな視線もなかなか悪くない気がしている俺が居る。決して好かれることが有り得ないのだと理解してしまうと、人間、他のベクトルでも構わないから、相手と交流を持ちたいと思ってしまうのだ。

 今なら中年男性が誇るセクハラ行為を、私は理解できる。ああ、理解できる。

 これこそが陵辱道への第一歩。

「お姉ちゃん、本当にこんなにが良いのぉ?」

「だから違うって言ったでしょう? 無理矢理にお酒を飲まされて、家に泊る羽目になっちゃったのよ。好きで一泊した訳じゃないわよ」

「連絡を呼べば良かったのに? 迎えなんてすぐだよぉ?」

「……き、気を失ってたのよ。少しばかり飲み過ぎたのよ」

「あー、お姉ちゃん、お酒に弱いものね。その癖、ぜんぜん酔ったように見えないから性質が悪いっていうか、周りにガンガン飲まされて潰されて、良いように身体を使われるタイプの女だよね」

「あ、やっぱりそうなんだ。昨日とか、マジそんな感じでだったよ」

「えぇー……。もしかして酔ったお姉ちゃんに挿入しちゃった?」

「残念ながら、今朝に本人から膣内平和宣言を受けました」

 もしもそうだったら、これほど嬉しいことはなかったのだけれど。

 正直、エリーザベト姉とセックスできたのなら、四日後に控えたメテオストライクも何ら問題ないね。こんな上級金髪ロリ美少女と関係を持てた時点で、俺の人生ハッピーエンドだわ。

 こうして可愛い異性と関われるのが、本当、今も夢を見ているようだもの。

「ちょ、ちょっとっ! 外でそういうことを言わないで貰えるっ!?」

「内なら良いのか。ありがとう」

「どっちでも駄目に決まっているでしょうっ!?」

 吠える美少女に思わずウットリ。

「ところで、お姉ちゃん。そっちのは?」

 妹さんの意識が俺の隣の席へと移る。

「ん? なんだ?」

 そこには三つ目のハンバーグへ食らい付く鬼っ子の姿がある。

 彼女もまた、皿の上から正面に腰掛けた相手に意識をやった。

「あぁ、えっと、その……」

 どうして答えたものか、しどろもどろするエリーザベト姉。

 この場の力関係で一番上に位置するのが、この小さい鬼っ子だ。

 妹さんは、それをまだ知らない。

「鬼なの?」

「そ、そうね。鬼よ、鬼」

「でもぉ、それにしては負の感覚が弱いような気がするよ? 餓鬼?」

 キャラでも作ったよう、口元に人差し指を当てて、首を傾げる妹さん。

 これに素の表情で慌てるのが姉の方だ。過去に同じような態度を取り、痛い目を見た彼女だから、その狼狽具合は大したもの。

「ちゃ、ちゃんとした鬼よ? あまり気にしちゃ駄目よ?」

「そうなの? っていうか、お姉ちゃん、慌ててる?」

「別に、あ、慌ててなんか無いわよっ。それよりも、ほら、これ食べる? トマトのリゾット、美味しいわよ? お米は安い輸入米っぽいし、野菜は元気なくて栄養価低そうで、無駄に塩気の効いたスープは化学調味料が満載!」

「……お姉ちゃん?」

「なにかしら?」

「もしかして、この二人に弱みとか握られてる?」

 弱みというよりは、存在として強弱が付いている。

 けれど、プライドの高い彼女はこれを素直に伝えられない。

「そ、そんなのじゃないわ。貴方が気にすることではないわよ、ハイジ」

「そうなの?」

「それよりも、ほら、貴方も何か注文なさい」

「あの、お姉ちゃん、私今パフェ食べてる……」

「あ、これ美味しそうじゃない?」

 店員を呼びつけるべく、店内ベルを人差し指に連打するエリーザベト姉。

 口調こそ落ち着きを取り戻しても、その焦り具合は容易に窺える。昼食までは強制されていないにも関わらず、随分と腰の低い対応だ。目上の相手には、反射的に細かいところまで気配りしちゃうタイプである。

「じゃ、じゃあ、紅茶を……お姉ちゃんも飲む?」

 らしくない姉の対応に首を傾げる妹さん。

 ただ、今に追求することは諦めたのか、大人しく場の流れに合わせたよう。店内ベルに合わせ取り付けられた店内広告のメニューを眺めては呟く。衣服をわざわざ届けにきたことといい、姉想いの良い妹さんじゃないか。

「あ、じゃあ俺もこうちゃ……」

 さぁ、これから始まる、楽しい楽しいロリータお茶会。

 なんて思ったところ、不意に覚えのある声が聞こえた。

「あっ! エリーザベトちゃんたちじゃんっ!?」

 何事かと意識をやれば、そこにはクラスメイトのイケメングループ。

 彼らは金髪ロリ姉妹を見つけて、駆け足にこちらへ向かってきた。見覚えのある三人組だ。我がクラスで上から一番目、二番目、三番目に顔の良い連中である。

 ちなみにこの一番目が、つい先日、学内で俺と追いかけっこをしたヤツだ。

「っていうか、なんでオマエが一緒なんだよ?」

 俺の姿を確認して、途端、一番目、谷沢の表情が厳しくなる。

 他二名も少なからず驚いた様子でこちらを見ている。

「ああいや、お、俺、彼女と付き合うことになったから……」

 あと数日で隕石が降ってくると思うと、こんな軽口も叩けてしまう。

 つい先日までは、毎日教室の隅で静かに読書してるのが精々だったブサイク野郎が大した出世だ。イケメン様に刃向かうとかちょっと心震えるじゃん。

「はっ!? オマエちょっと何言ってんのっ!?」

「ち、違うわよっ! 本当に何のつもり!? 貴方という人はっ!」

 谷沢に並んで、当人にまで否定されてしまった。

 無念。

「え? 違うの?」

 これに疑問の声を上げるのが妹さん。

 少なからず姉と俺との関係に具体性を持っていた様子だ。

「おいコラ、テメェってばマジで言ってんの? 本当にっ!?」

 谷沢が俺に吠える。

 ちょっと怖い。

「マジだよマジマジ」

「だから違うと言っているでしょうっ!?」

 他方、顔を真っ赤に吠えるエリーザベト姉。

「テメェ、ふざけんなっ!?」

 谷沢がこちらに向かい数歩を詰める。我らの陣取ったボックスタイプの四人掛けとなる客席。その向かい合わせに並んだソファーの一つ、すぐ脇に立つ形だ。彼の背後にはイケメン友達が続く。

「おいこらっ! ちょっと面貸せやっ!」

 早々のこと、グイと首根っこを掴まれた。

 シャツの襟口がグイと伸びる。

 鬼っ子が奥側の席で良かった。

 でなければ、今頃、一帯は血の海となっていたろう。

「っていうか、なんでそんなにキレてんの? ここファミレスなんだけど」

「う、うるせぇっ! 黙って俺に付いて来いっ! 表に出ろよっ!」

 尋ねてみれば、少しばかり顔が赤くなるイケメン。

 そのすぐ傍らから本人に代わり、ナンバーツーとナンバースリーが答えた。

「いやー、谷沢ちゃんさ、コジマちゃんにマジ惚れしたみたいでさぁ」

「そうそう、この間の追いかけっこも、学校で話題になってたし」

 こちらは割と冷静、というか、今の状況を楽しんでいるように思える。

 ちなみに彼らは谷沢も併せて、三人とも私服だ。制服は着ていない。何故ならば今日が休日だからだ。土曜日だからだ。

 逆に俺からすれば、どうして妹さんが制服を着ているのか、更には姉にまで制服を持ってきたのか、それが謎だったりする。

 そういう趣味なのだろうか。

「お、オマエらぁ! そういうこと言うんじゃねぇよっ!」

「……ふぅん? 私に惚れたの?」

「っ……」

 イケメンたちの言葉を耳として、なにやらエリーザベト姉の顔に笑みが戻る。ニヤニヤとした、どこか優越感を思わせる笑みだ。

 なんだろう。こういう状況、かなり慣れてそうな気配がする。

「もしも付き合うのなら、確かに彼より貴方の方がずっと魅力的よね」

「え? ま、まま、マジっ!? それってマジでっ!?」

「ええ、マジよ?」

「う、お、おぉおおおおおおおおおっ!」

 その何気ない言葉を受けて、歓喜の声を上げる谷沢イケメン。

 他方、地の底まで落ち込む羽目となるのが俺ブサメン。

「マジか。恋人が目の前で寝取られたとか……」

「別にまだ二人は寝てはいないと思うけどー」

 パフェをモグモグとやりながら、冷静に答えてくれる妹さんありがとう。

「あ、それとなんだけど、俺はどっちかっていうと、妹さんラブだなぁー」

「あ、俺も俺もっ! マジでラブだよハイジちゃん!」

 ナンバーツーとナンバースリーは妹さん狙いのようだ。

「え、私?」

 少しばかり驚いた様子で、パフェから二人へ意識を移すハイジ氏。

 口元に付着した生クリームがチャーミングだ。

「ちょっと俺と付き合って貰えない?」

「あ、おい、抜け駆けするなよな」

「うーん、そうだなぁー。考えてもいいよー?」

 人差し指を口元に当てて、可愛らしく笑ってみせる妹さん。

 これにナンバーツーとナンバースリーもまた狂喜乱舞。

「マジっスかっ!」

「よっしゃっ! どっち? ねぇ、どっちがいいっ!?」

「あはは、私は両方でもいいよ? 一度に付き合っちゃう?」

「マジでぇっ!?」

「うっわ、ハイジちゃんってば超絶エロ可愛いんだけどっ!」

 なにこのリア充な空間は。

 この姉妹、まさか隕石落下に備えて、最後の彼氏確保に走るつもりか。そんなまさか、だとしたら俺はどうすれば良い。心の支えが、心の支えが失われ行く。

「ちょ、ちょっと、あのっ……」

 おずおずと声を掛ける。

 けれど、美男美女は和気藹々と会話を初めて、こちら蚊帳の外であります。絶対に聞こえている筈なのに、ちっとも反応してくれません。

 逆に当てつけるよう、なんか凄い良い笑顔なんですけど。全員満面の笑みなんですけど。特に姉妹、ここ二日で見せてくれたどの表情より、今この瞬間が活き活きしているよ。

「……なんてこった、ボッチになってしまった」

 既に姉妹共々、俺の存在など完全に無視。

 しかしながら、捨てる神あれば救う神あり。

「どしたんだ?」

 鬼っ子が声を掛けてきた。

 卓上を眺めれば、なるほど、注文した分を食い終えたようだ。

 よく食べる子じゃないの。

「とても悲しくなった」

「悲しいのか」

「そう、悲しいの」

「なら私が慰めてやる」

「おぉ、なんて優しいんだ、アンタという鬼は」

「こっち来い」

「うぉっ!?」

 ギュッと手首を握られ、勢い良く腕を引かれた。

 都合、鬼っ子の太股の上に身体を投げ出す形となる。俺のシャツと彼女の和服を超えて、それでも、胸や腹の辺りに暖かな体温と、柔らかな肌の感触が伝わる。

 なにこれスゲェぽにゃぽにゃしてる。

 小さい女の子の身体が、こんなにも柔らかく暖かなものだとは知らなかった。衣服越しであるにも関わらず、とても心地が良い。

「こっち向け?」

「ちょ、ちょっと、むりやり首を曲げないでっ……」

 顔を両手に掴まれたかと思えば、強引に顔を上へと向けられる。

 あわや骨が折れるかと戦慄を覚えた。

 かと思えば、次の瞬間の出来事である。

「ちゅぅーーー」

「んぶっ!?」

 キスされた。

 鬼っ子にキスされた。

「んぶっ、んんぅううううっ!?」

 しかも舌が入って来るぞウェルカム。

 ファーストキスはチーズハンバーグの味がした。

 マジ肉食系。

 凶悪なまでの腕力により、顔を固定されているので、首から上は身動き一つ取れない。まるで工作機械の留め金に挟まれたよう。

 その上で、妙に長い舌がこちらの舌に絡まるよう迫る。っていうか、巻き付いている。これは舌が舌に巻き付いている。

「んんぅうううううううっ!」

 引っ張られる。しごかれる。舌が。舌が。

 更に唾液が流し込まれる。

 バーベキューソース味。チーズ風味の。

「ちょ、ちょっとっ! 貴方たち何をしてるのっ!?」

 これに気づいたエリーザベト姉が声を荒げる。

「うわぁー、あんなに激しくしてる……」

 妹さんは少なからず引いた様子か。

 イケメン一同にしては、声も出ないようで、こちらを凝視している。

「んぅっ! んっ! んぅっ! ぅぅんんぅううううっ!」

「んふふふふ」

 ベロチューは続いた。

 かなり長い時間続いた。

 常人の倍以上ある舌が、喉の方まで舐め回してくれたおかげで、どうにも口の中が自分のものでなくなってしまったよう。

 更に舌がやたらと長ければ、唾液の量もまた多い。飲んでも飲んでも口が溢れるほどに与えられる粘液は、口元をドロドロに汚していた。

 ベロチュー。凄くいい。

「んっぷっ……」

「ぷはー」

 口が離れると、どろり、濃厚なヤツが垂れては、鼻先にぺしゃりと落ちた。

「んじゃー脱げぇ。交尾するぞ」

「え」

「自分で脱げないのか? 脱がしてやる」

「ちょっ、流石にここじゃっ……」

「凄く良くしてやる」

 鬼っ子の手がズボンに掛かる。

 そこで外野からも待ったが掛かった。

「あの、お客様っ……その、ま、周りのお客様のご迷惑になりますのでっ」

 ウェイトレスが困った顔にこちらを見つめていた。我々とそう年頃の変わらない女性である。肩口に切りそろえられた茶髪にピアス。エプロンはファミレス支給で店のロゴ入り。休日、バイトに励む今風の女子高生というやつだ。

 流石にここで致すのはヤバい気がする。

 間違いなく警察を呼ばれてしまう。問答無用で強姦罪だ。

「ちょっと待ったっ、き、気持ちだけ貰っとく、気持ちだけっ!」

「したくないのか?」

「そんな馬鹿な!」

「だったらするぞ!」

「うぉっ!?」

 一瞬、キュッとベルトが締まったかと思えば、いつの間にか小穴からツク棒が外されて、剣先がカサから抜き取られる。勢いのままにズボンの丸ボタンも外された。

 そして、腰に柔らかな指先の感触を感じた次の瞬間、下着ごとズボンを下ろされる。一息に膝の辺りまで。生地の硬めなジーンズを力任せだ。

「ちょっ!」

 オチンチンがこんにちわ。

 しかも性質(たち)が悪いことに勃起している。鬼っ子とのディープキスが、あまりにも良すぎてギンギンだった。これじゃ言い訳などできない。

「ちゃんと大きいぞ。勃たないのはどうした?」

「いやいやいや、それはお酒が入ってたからで。決してインポではなくて」

「じゃあ問題ないなー」

 鬼っ子の腕が大きく動いた。

 俺の腰の辺りを両手に掴んで、その股間を顔の辺りまで持って行く。都合、こちらは彼女の太股の上を頭部の側へ滑る形だ。

 更に無理矢理、身体を上下ひっくり返されて、姿勢を仰向けに。股間に備えられた十五センチ級が、天高く垂直に聳えることとなる。

「ちょ、なにすっ……」

「あむっ」

 何を言う間もなく、これにロリっ子は食らい付いた。

「んのぉおおおおおおおおおおっ!」

 俺は生まれて初めての感覚に吠えた。

 席を共にする面々の他、八割が埋まる店内の客一同の意識が集まった。幸いにして椅子の背もたれが壁となり、多くは目にすること叶わないだろう。けれども、決して少なくない客の視線に晒されることとなる。

 すぐ近くにはクラスメイトのイケメングループに加えて、騒動を注意にやって来たウェイトレス、我が愛しのエリーザベト姉妹が並ぶ。誰も彼もが酷く驚いた様子でこちらを見つめていた。

「ちょ、ちょっとっ! いきなり何を始めてるのよっ!」

「うわぁー、うわぁー……」

 凄い見られてる。

 妹さんとか、うわーうわー言いながら、めちゃくちゃ凝視してる。

「んちゅぷっ、んむっ、んむんむっ……」

「ひゃ、や、それ、やばい、し、舌が巻き付いてっ、ひぃっ」

 長い舌が息子に巻き付いてくる。

 ギュッギュと締め付けては擦りあげてくる。

 先端で尿道の辺りをチロチロしてる。

 周りは頬肉でジットリ暖か。

「な、なんという完全な包囲網っ……」

 人間には不可能な舌技だ。

「ほうはぁ? ひほひひぃはぁ?」」

「うひぃっ!? く、くち動かさんといてぇっ! 喋らんといてぇっ!」

 ここ二日、オナニーしてないから溜まってるのだ。このままでは容易に発射してしまう。先程のディープキスが想像以上に効いている。全身が敏感だ。ビンビンだ。

「だから、や、止めなさいと言っているでしょうっ!?」

 誰にも先んじて動いたのはエリーザベト姉だった。

「ふぁんへふぁ?」

「なに言ってるのか分からないから、その汚いのから口を離しなさいっ!」

「あふっ! き、気持ちいいっ!」

「アンタもよがってんじゃないわよっ!」

 四日後に迫った隕石落下を思えば、このまま公衆の面前でロリにフェラチオさせるのも悪くない。というか、非常に魅力的な提案だ。

 しかしながら、されど四日。最後のひとときを刑務所に牢の中で過ごすのは勘弁願いたいところだ。仕方ないが次策を選択するぞ。

「そ、そんままでいいから、少しの間だけ見えなくなって。少しでいいからっ」

「ふぇ? みえふぁふはふぇはひぃほはぁ?」

「このままじゃ捕まっちゃうからっ、後で良いお酒あげるから! あぁっ!」

「ふぁふぁっふぁー」

 俺の想いが通じたよう。

 頷いた鬼っ子の姿が、俺と姉妹以外の誰もから見えなくなる。

 普通の人には、スゥと霞み消えたように映ったろう。俺が一人でチンコ丸出しの上、ソファーに寝転んでいるように見える筈だ。

 見えないだけであって、実体は変わらず存在している為、少しばかり下半身が浮いているけれど、まあ、そればかりは仕方が無い。

「えっ!?」

「ちょ、おいっ! 消えたぞっ!?」

「どうなってんだよっ!?」

 鬼っ子が急に消えたことで、イケメングループが騒ぎ出す。

「えっ!? な、なにっ!? なにそれっ!」

 ウェイトレスも騒ぎ出す。

 他方、未だ見えているエリーザベト姉は渋い顔だ。

「こんなところで騒ぎを起こしてるんじゃないわよっ! 早く何とかしなさい!」

「いやでも、も、もう少しくらい……あっ、き、きもちぃっ」

「ああもうっ! さっさと行くわよっ! 一緒にいる身にもなりなさいっ!」

「あ、ちょっ……」

 席を立ったエリーザベト姉が、俺の腕を強引に引っ張り上げる。

 吸血鬼の剛力に引かれて、身体は無理矢理に持ち上げられた。

 惜しくも鬼っ子のフェラから解放されてしまう。

「んぁっ……」

 開かれたロリロリなお口からは、ドロドロと唾液が垂れて、俺の下腹部をベットリと汚した。まるでローションでもぶちまけたようだ。

 暖かな咥内から外に出る。ひんやりとした外気に息子を冷まされて、僅かばかり現実を取り戻した気分。ふと冷静になって周りをみれば、集まる視線。

 わざわざ席を乗り出してまで、こちらを観察する客もいた。

「ハイジっ、行くわよっ! 会計は頼んだわっ」

「あぁんもう、まだパフェが残ってたのにぃ」

「あー、おいこら、私のオチンチン持ってくなよー」

 エリーザベト姉を先頭に一同連れ立ち、ファミレスを後とすることとなった。

 鬼っ子は俺の腰にへばりつくよ、文句を言いながらも大人しく付いてきた。他方、居合わせた面々にしては、驚きのあまりか、これに追随することなく、呆然と我々を見送る限りか。

 あとちょっとで褐色ロリータ推定七歳の咥内へ射精できたのに。

 無念過ぎる。

 ただ、どこかホッとした気が、しないでもない。

 いいや、気のせいだろう。