喰らえ、メテオストライク!

終末 四

「す、凄い……」

 ヘリに乗り込んで移動した先、到着したのは例によってエリーザベト姉妹の自宅。昨晩のメンツに加えて、今晩は佐藤さんというゲスト付きだ。おかげで先程から上手く舌が回らない。

 会話は姉妹に任せっぱなしだ。

 俺が唯一、能動的に動いて行ったことはと言えば、千年に彼女を殺さないよう言い聞かせたくらい。佐藤さんは普通の女の子だ。鬼っ子パワーに撫でられては、それが愛撫でも股間が吹き飛びかねない。

 俺が誠意を込めて説明すると、千年は存外のこと素直に頷いてくれた。

 まったく、本当にラブいよ千年。愛してる。

「好きなようにして貰って構わないわ。佐藤さん」

「自分の家だと思って寛いでねぇー」

「さ、流石にそれは無理だと思うなぁ……」

 ブルジョアのブルジョアたる所以に触れて、緊張した面持ちの佐藤さん。

 無駄に金持な姉妹の身元だとか、何故か頭に角を生やしている幼女千年だとか、突っ込みどころは満載。事実、彼女の視線はせわしなく、あっちへ行ったり、こっちへ行ったり。ただ、それでも気を遣ってのことか、深くは尋ねてこない。

「まあ、どこかの誰かさんには自重して貰いたいのだけれど」

「ぐっ……」

 ところで、同姉妹にしては先程から、都度都度こちらに軽口を飛ばすのを止めて貰いたい。佐藤さんの発言を出汁にしては、ヘリでの移動中から今に居たるまで、皮肉やら何やら、ひっきりなしだ。

 というのも、佐藤さんが同席していると、なんだろう、どうしても上手く喋れない。それが例えエリーザベト姉妹を相手にしたものだとしても、すぐ近くに同じ人間な彼女が居ると思うと、舌ベラが動いてくれないのだ。

 そうした情けない姿が面白いのだろう。

「あら、どうしたのかしら? これまでの威勢が感じられないわね」

「そうだねぇー。セクハラもぜんぜんだよぉー? どーしたのかなぁー?」

「ちょ、ちょっと、佐藤さんの前でそういうこと言うなよっ!」

 なんという爆弾発言だ。

 それじゃあ俺が変態みたいじゃないか。

「え? せ、セクハラ? 田中くんが?」

「ち、ちが、ちがっ、ちがちがっ、あのっ、ちがっ!」

 顔が真っ赤になる。

 上手く呼吸が出来ない。

 天井のある方向が分からない。

 グルグルする。視界が。

「凄いんだよぉー? 私とお姉ちゃんなんて、もう毎晩だもん」

「そうねぇ。どれだけ言っても下ネタを自重しないのは困りものかしら」

「昨日なんて、ねぇー?」

「そうね。あれは流石に酷かったわよねぇ」

「そ、そうなの? なんか田中くんのイメージと違う、かも」

 佐藤さんのみならず、エリーザベト姉妹からも視線が集まる。

 ニヤニヤと意地の悪い笑みを浮かべる後者は、間違いなく今この瞬間を楽しんでいる。俺を苛めることに快楽を見いだしている。こちらの弱いところを見つけて、非常に活き活きした表情をしているよ。

 なんて捻くれた性格だ。そういうところも大好きだ。心底愛してる。

「いや、あの、それはその……」

 しかし、なんと答えたものか。

 上手く言葉が続かない。

 言いたいことは山ほどある筈なのに。

「まっ、とりあえず乾杯かなぁー? 千年ちゃんも飲みたそうだし」

「おーう、飲みたいぞー。早くお酒よこせー」

 千年の言葉に流されて、一同、リビングに併設されたバーラウンジへと移動する。今日もまたお世話になるのはボックス席。当初はやたらと柔らかな座り心地に違和感を抱いたものだ。けれど、三日三晩を過ぎれば、無駄に馴染んで思える。良い感じ。

 ちなみに佐藤さんの所在はエリーザベト姉妹の間である。

 幅広なソファーなので、美少女三人が並んでも余裕の収納。

 バーテンのお姉さんは一昨日から姿が見えないので、何をするにしてもセルフサービス。まあ、そのあたりは致し方なし。勝手にカウンターの先を物色しては、好みの酒を手に取り、好き放題に注ぐ。

 本当、ここは天国だ。お酒天国。アルコールフィーバー。

「それじゃあ、地球人類の消滅に、乾杯っ!」

 エリーザベト姉が声高らかに言う。

 正直なところ笑えないけれど、一同、とりあえず素直に杯を交わす次第。

「かんぱぁーい!」

 即座に応じる妹さんの姿を目の当たりとして、自然、俺も続く。

 俺が続けば千年も続く。

「か、かか、かんぱーい」

「おーう! のむぞー!」

 結果、佐藤さんも続く。

「え、あっ、かんぱーいっ」

 これが最後の酒盛りかと思うと、どうにも悲しい気持ちだった。

 他の連中も、俺と同じような感慨を抱いているのだろうか。

 考え出すと詮無き話である。

		◇		◆		◇

 飲み出すと止まらないのが、アルコールというものだ。

 なんでもその依存性や毒性は、大麻やコカインといった薬物と比較しても、殊更に強力なのだそう。その手の知見がある者であれば、何故に他の薬物が法規制される中、アルコールだけが許容されているのか、疑問に思って然るべきだと言う。

 ということで、グラスを手にして小一時間が経過。

 あっという間に皆々、出来上がってしまった次第である。

「あはぁー、どーしたのぉ? どーして見ないのぉー?」

「ちょ、ちょっと妹さんっ!」

 妹さんが俺の前でスカートをめくり上げている。

 ソファーに腰掛けたまま、足の短いソファーテーブルへ両足を投げ出した姿勢。両手にドレスの裾を掴んでいる。その奥には黒のローレグ。非常に浅い作りをしており、皮を被ったクリトリスは当然のこと、更に割れ目まで半分くらい見えてしまっている。

 エッチ過ぎる。舐めたい。ペロペロしたい。

 でも、彼女のすぐ隣には佐藤さんがいる。

 だからどうしても、できない。

 というか今日は、何故だろう。お酒が進まない。

 上手く酔えない。テンションが上がらない。

「ほらー、どぉーしたのー? 触りたくないのぉー? オマンコだよぉー?」

「は、ハイジちゃん!? あの、さ、流石にそれはっ」

「君がだぁーいすきな、毛の生えてないロリロリのオマンコだよぉー? 凄く締まりが良いって評判の、プニプニなオマンコだよぉ-? 今なら中出しし放題だよぉー?」

「いや、あの、ちょ、ちょっとさっ。佐藤さん見てるしっ!」

「あははははぁ、可愛いよねぇー? 彼ってばすごーく駄目な男なんだよぉ?」

「あ、あの……コジマさん、ハイジちゃんが酔っ払って……」

 妹さんの逆セクを目の当たりとして、隣に伺いを立てる佐藤さん。

 これに答えるエリーザベト姉の酷く適当なこと。

「放っておけば良いのよ。もう二度とアニメや漫画が読めないって、昨日も延々と吠えていたし、色々とストレスが溜まっているのよ。無駄にプライドが高いから、ああいう歪な方法でしか発散できないのが、我が妹ながら哀れよねぇ」

 カラン、グラスを傾ける。

 そんな彼女の態度を受けては、佐藤さんも続く言葉に躊躇する。

「……た、確かに、そうだよね。今日で、終わりだもんね……」

「そうよ。今日で何もかもが終わりなのよ? あと十数時間足らずでね」

「うん……。本当に、死んじゃうんだよね。みんな。ぜんぶ」

「ええ、何一つ残らないわね。人間の生きていた痕跡の全てが吹き飛ぶわ」

「……こわいな。凄く」

 エリーザベト姉の何気ない呟き。これに神妙な顔で頷く佐藤さん。

 前者は今に傾けるのが三杯目。恐らく、既に彼女の記憶は、寝たら失われるタイプの一時領域へと漏れ出していることだろう。

 他方、クラスのマドンナはと言えば、四杯目を終えようとしているにも関わらず、完全な素面である。どうやらザル体質のようだ。

「おーい、吸血鬼、そこの白いやつ私にもくれー」

「ん? このチョコで良いのかしら?」

「そうそう、それー」

 にゅっと正面に伸ばされた千年の手の平。

 そこへエリーザベト姉はホワイトチョコを幾つか乗せてやる。

 手に入れたそれを、彼女はパクパクと勢い良く頬張る。

「おほー、これおいしいよなー、やっぱりおいしいよなぁー」

「チョコが好きなのかしら?」

「おー、白いのが好きだー」

「そうなの。だったら、こっちのも美味しいわよ?」

「お?」

 着実に餌付けの進む千年。

 差し出されたあれやこれやに嬉しそうな顔となる。

「ねー、君はさぁー」

「は、はい、なんでしょうハイジさん」

「あはっ、ハイジさんだってぇー!」

「いやいやいや、アンタはハイジさんでしょ。ハイジさん」

「ほら、具も見せちゃうよぉー?」

「っ……」

 下着を上に引っ張り、縦スジに食い込ませる。更にオマンコのお肉を人刺し指と中指で左右に引っ張り、クパァ、尿道から膣口までを晒す。

 少なからず興奮しているのか、テカテカ、愛液の湿りが窺える。

 僅か蠢くピンク色の内蔵は、この世のものとは思えないほど、美しかった。

「どーしたのぉー? オチンチン、勃起してなぁい?」

「いやいやいや、してないから、俺ロリコンじゃないしっ!」

 指摘されて、大慌てに前屈み。

 それとなく足など組んで股間を隠してみる。

 実はまったく勃起していない。

 佐藤さんの目があって、どうしても、肉体が萎縮してしまう。

「今更に取繕ってもおそくなぁーい? ビンビン? ビンビンなーの?」

「だ、だから、ほらっ、佐藤さんも見てるからっ!」

「それが楽しいんだよぉー。私は見られてた方が興奮するのにぃー」

 なんて淫乱なんだ妹さん。

 佐藤さんが居なかったら、佐藤さんさえ居なければ、もう、全力でむしゃぶりついているのに。ペロペロして、ズプズプして、ドクドクして、ギュッてするのに。その小さな身体を抱きしめて、キラキラと奇麗な金髪をナデナデして、ナデナデナデナデ。

 したいのに。

 だというのに、俺のオチンチンは一向に堅くならない。しかも何か、脇の辺りから嫌な汗がジワジワと滲んでいて、非常に気持ちが悪い。それもこれも第三者の視線。あぁ、佐藤さん、今この瞬間だけは恨むよ。

 妹さんとセックスできたかも知れないのに。

 俺のラストセックスチャンス。

「なぁーんかもぉー、つまんないのぉー!」

 ひたすらに否定を繰り返していると、いよいよ飽きたのか、妹さんはクパァを停止。更にスカートを上げる腕も下ろして、テーブルに乗せた足さえも下ろしてしまう。俺のオマンコが、オマンコが視界から消失する。

 ああ、ああああ、途方も無く勿体ない。

 したかった。妹さんと、セックスしたかった。したかったよぉ。

 妹さん、心の底から愛している。

「あーもー、もっと飲もーっと! お姉ちゃん、私にもそれ頂戴!」

「それくらい自分で注ぎなさいよ、まったく」

 琥珀色の液体にグラスが満たされてゆく。

 一気に酒を煽る妹さん。その姿を眺めて、俺もまた手元のグラスに口を付ける。なんとかして、どうにかして、気持ち良くなろうと。最後の夜くらい、何もかも忘れて、憂いの無い最後を。幸せなお酒を。

 自然を勢いを増して、皆々の酔いは進んでゆく。

 最後の夜が更けてゆく。

		◇		◆		◇

 都度、意識を失いながらも、再び目覚めては飲み返し。たまに姉妹に弄られたり、千年と楽しくお喋りをしたり。そして、お酒を注いだり。

 途切れ途切れの自己は不鮮明。結局、どうにも所在の定まらない自意識の置き所に悩んで、今もふわふわと漂う感覚が、ああ、心地良い。

「お姉ちゃん、これ開けるよー」

「なによそれ」

「コカイン。高純度だから、とても良いって言ってたぁー」

 何やら物騒な単語が聞こえた気がした。

「ちょ、ちょっと、ハイジちゃんっ!? いくら何でもそれはっ」

 佐藤さんの甲高い声に意識が浮上する。

 未だ所在はバーラウンジのボックス席。昨日に続いて今日もまた穏やかな飲み会だと思っていたのだけれど、今に聞こえた単語が本当なら、穏やかで居られるのも、今この瞬間までだろうか。

 目前に眺める先、正面のソファーには、変わらずエリーザベト姉妹の姿。

 その間には佐藤さん。

「もしも今回のが失敗したら開けようと思って、前々から用意してたの」

「ちょっとハイジ、流石の私もコカインは初めてよぉー?」

「それじゃあ、いっしょに楽しくなろぉー? ねぇー?」

「まぁ、た、たまには良いわねー」

「コジマさんっ!? あの、さ、流石にそれはっ」

 佐藤さんは何やら必死の様子。

 けれど、彼女の訴えに耳を貸すこと無く、妹さんは言葉を続ける。

「そこの童貞も、あと千年ちゃんと佐藤ちゃんも一緒だからぁー!」

「え? 俺も?」

「ん? コカインってなんだ?」

「すっごく気持ち良くなれる、とても不思議なお薬だよぉー?」

「気持ち良くなれるのか?」

「うん、天国にイケちゃうくらい」

「おぉ! それ凄いな! やりたい! やりたいぞっ!」

「それじゃあ、皆でやろぉー! いくよぉー」

 いつの間に用意したのだろう。ソファーテーブルの上には、白い粉を小分けにしたビニール袋が乗せられていた。妹さんはこれを一つ破り、その中から大さじ一杯ほどの粉末を、親指と人差し指の間にできる凹みへ乗せる。

 かと思えば、自らの鼻の穴を近づけると共に、フンッ、勢い良く吸い込んだ。

 窪みに盛られた白い粉は瞬く間に吸われて消えた。

 一同、彼女の動向に注目。俺や佐藤さんに限らず、エリーザベト姉や千年までもが、その反応を窺うよう意識を向ける。粉末を吸い込んだ妹さんは、薬を奥へ流す為だろうか、顎を上げて天井を見つめるよう。

 それから幾らばかりの後、彼女の口からは、どうにもイヤらしい声が。

「……あ、はぁっ」

 顔が元の位置に戻ってくる。

 目の焦点が合っていなかった。

 呆け顔を浮かべて、けれど、とても心地良さそうな感じ。

 アヘ顔。

 だからだろうか。

 そんな妹さんの姿を目の当たりとして、姉もこれに続く。

「じゃ、じゃあ私もっ……」

 凄くソワソワしている。

 今し方に眺めた方法に習い、彼女もまた白い粉を鼻から吸引する。

 粒子状の物質を鼻に突っ込んで痛くないのかと疑問に思う。ただ、一息に粉末を吸い上げた後、にへら、彼女の見せた悦楽の表情を思うと、そんなものは些末なことなのだろうと考えるに至った。

「ほらぁー、童貞もやろうよぉー? きもちーよぉー?」

「お、おーう」

 コカインとか初めてだ。

 ちょっと大人な感覚にドキドキだ。

「あ、一気に吸わないと逆に辛いよぉー?」

「おう、分かった。一気に吸うぞぅ」

 こちらの不安を汲み取り、事前に注意などしてくれる妹さん優しい。

 その監修の下、姉妹が示した手順に従い、手に粉末を盛りつける。

「千年、一緒にやるぞ。一緒に」

「おー!」

「た、田中くんまでっ……」

 佐藤さんの声を聞こえないふり。

 フンッ。

 二人して鼻の穴に白い粉末を吸い込む。

 応じて、鼻の奥に強烈な刺激が走った。風呂場でシャワーを鼻の穴に突っ込んだような感じ。ただ、お酒に酔っているおかげで、なんとか我慢ができた。

 ややあって、じんわりと鼻腔の粘膜が熱くなる感触と共に、頭がくらっとする感覚が訪れる。生まれて初めてタバコを吸った時、これと似たような感覚を得た覚えがある。

 かと思えば次の瞬間、ぐにゃりと視界が大きく歪んだ。

「うおぉっ……」

 何か色々と滾ってくる感じ。これがハイというヤツだろうか。お酒を飲みながら、テンションの高い音楽を聴いているときのそれに似ている。わざわざ液体を口にすることなく、ちょっとお粉を鼻に吸い込むだけで、お酒の良いところをサクッと手軽に丸囓り。

 そんな感じ。

 凄い。コカイン凄い。

「お、おっ、おっ、おぉう、妹さん、コレ凄い。マジ凄い」

 思わず声を上げてしまう。

 正面に座る妹さんからは同意の声が。

「でしょー? いいよねぇー。これいいよねぇー。ラリラリだよぉー」

 声がラリってる妹さん。超絶可愛い。

 今すぐに抱きしめたい。

「おほぉおおおおおお! いいぞー、なんだこれー」

 隣では千年エキサイティング。

「コレ凄いな! おほっ、おほっ」

「おい、千年、大丈夫か!?」

「大丈夫だぁー、これは良いものだー、良いものだー」

「ああ、良いものだ。コカインって凄いだろこれ」

「あ、あぁ、田中くん……」

 佐藤さんの前でも、少しだけ勇気が沸いてくる感じ。

 ちょっと、なんか、オナニーくらいなら出来ちゃいそうな勇気。

「ほらぁー、佐藤ちゃんもやろぉー? すっごくきもちーよぉー?」

「う、ぅ……」

 妹さんに請われて、数瞬、躊躇を見せる佐藤さん。

 けれど、本日は人類最後の夜。

 何をしたところで明日には全てが終わる。

 そうした背景が、彼女の背中を押したのだろう。

「わ、分かった。やる。やってみるよ、ハイジちゃん」

 小さく頷いて、自らテーブルの上に並べられた粉へと手を伸ばす。

 一連の流れに同じく、フンッ、鼻から粉末を吸引した。

 吸い込んでしばらく、彼女は鼻を押さえて悶絶。しかし、数十秒ばかりを悶えたところで、粉が粘膜に馴染んだのか、姿勢を元に戻す。それと同時に、今し方、エリーザベト姉妹が見せたものと同様、情けないアヘ顔を晒す。

「あ、ははは、これ、すごいよ、ハイジちゃぁん」

「だよねぇー! あははははは、なにこれ、気持ちいいよぉー!」

 皆でヤク中。

 コカイン最高。コカイン気持ち良い。コカイン無敵。

「もっとー、もっとするぞー!」

 千年がお替わりした。

 先程の倍くらいの量を鼻から吸い込む。

「あはー、じゃーわたしもぉー!」

「あ、ちょっと、私もするわよぉ!」

 これにエリーザベト姉妹が続く。

 ここ数日、お酒の席を共にしていて強く感じたのだが、人外連中には際限というものがない。なまじ身体が頑丈に出来ている為、やることが過激だ。ちょっとやそっとの刺激ではまるで動じない。

 まあ、本日にしては、最後、俺も彼女らに習うべきか。

「んじゃ俺もぉー」

「あ、た、田中くんが行くなら、あの、私も……」

 最高にコカインだった。

 最高に愉快だった。

 最高に痛快だった。

 この時間が永遠に続けば良いと思った。