喰らえ、メテオストライク!

アーデルハイト・エリーザベト・フォン・プファルツの場合 一

 私とお姉ちゃんが見つめる先、隕石が砕けた。

 一瞬、我が目を疑った。

「お、お姉ちゃん、あれっ!」

 反射的に叫んでしまった。

「なっ……」

 お姉ちゃんも私と同じく、その光景を目の当たりとして驚いている。

「すごい……」

「え、えぇ……」

 間抜けな声を上げた私に、これまた間抜け声で同意するお姉ちゃん。

 まるで内部に火薬でも仕込んで爆発させたよう。

 歪な球形を取っていたそれが、ドドン、轟音と共に崩壊した。相当の距離があるにも関わらず、崩壊の音は地上まで届けられた。腹を内側から震わせるような、とても大きな音だった。

「ほんとうに、こ、壊しちゃったよ……あの二人……」

 つい数分前のやり取りが思い起こされた。

 まるで近所のコンビニにでも出掛けるような気軽さで、この部屋から窓ガラスを砕いては出ていった二人だ。それがまさか、本当に隕石を砕いてくれるとは。

 正直、恐怖から頭がおかしくなったのだと思っていた。ジッとしていられなくなって、無駄に足掻いているのだと。何処へとも逃げ出したのだろうと。

 だというに、この結果は、私、想像以上だよ。

 凄い。

「しかも破片がっ……」

 私とお姉ちゃんが見つめる先、砕かれた隕石の破片が、これまでとは逆の軌跡を描き遠退いてゆく。それも凄い勢いだ。これまでの隕石の落ちてくるスピードが一だとしたら、破片が遠退いていく勢いは、十とか、二十とか、それくらい。

 そりゃ大きさの違いとか、光学で観測している為だとか、色々と理由はあるかも知れない。けれど、そういった色々を抜きにしても、凄い勢いだと思う。まるで流れ星のシャワーのよう。

 まるで理解が出来なかった。

 ただ、事実として、隕石は砕かれて、その破片は何処へとも飛んでいった。

「凄い……」

 幾度目とも分からない呟きは、図らずしてお姉ちゃんと被ってしまった。