喰らえ、メテオストライク!

佐藤淳子の場合

 私は田中君とセックスする夢を見ていた。

 彼はクラスでも目立たない存在で、正直、私もあまり好きじゃなかった。何より見た目が気持悪い。いわゆるブサメンというやつ。加えて、性格も暗くて、あまり関わり合いになりたくないタイプ。事実、学校では意図して避けていた。

 そんな彼と激しく交わる夢を見た理由は、きっと酷く単純なもので、私が彼に貞操を救われた為だと思う。悲鳴を上げた私の下へ、凄い勢いで駆け寄ってきて、覆い被さっていたクラスメイトを膝の一発で吹っ飛ばしてた。

 ちょっと、いや、かなり、カッコ良かった。

 性器を丸出しで呆ける私に、スーツのジャケットを放ってくれたとき、凄く悔しいのだけれど、一瞬でも、ドキンと、強くときめいている自分を理解した。つい今し方までレイプされかかっていたのに、下腹部が疼くのを感じたくらい。

 本当にカッコ良かったのだ。

 その顔の不出来がなんら気にならないと思うくらい。

 だから、そんな夢を見たのだと思う。

 ただ、夢も永遠ではない。

 彼の一物が今まさに私の子宮へザーメンを放とうとした瞬間だ。膣の内側にチンコの膨れる感覚が、無駄に生々しく伝えられ、あぁ、射精される、中に出される、そう感じた間際のこと。

 フッと目覚めた。

 理由は耳をつんざくほどの轟音。

「っ……」

 ハッとして身を起こす。

 私は床に尻を落ち着けて、ソファーテーブルに突っ伏していた。

 エリーザベトちゃんたちの家でお世話になっていたことを思い返す。

「な、何がっ……」

 夢の内容に気恥ずかしさを感じながらも、恐怖から身体が動いた。

 すぐ近く、窓際にエリーザベトちゃんたちの姿が見えた。

 窓ガラスは割れており、その先に何かを見ているようだった。

 私は大慌てに駆け寄った。

「あ、あのっ!」

 そして、意識を向けた先。

「……え」

 空には何か、細かな、破片が浮いては、遠退いてゆく光景があった。